小規模事業所のメンタルヘルス対策についてお伝えさせて頂きます(大きなテーマですので、何回かに分けてお伝えさせて頂きます)。職場のメンタルヘルス対策を進めることで、不調者が出た際に迅速に対応できるだけでなく、働きやすい職場づくり、メンタル不調の発生防止、生産性の向上などにもつながっていきます。しかしながら、2012年の東京商工会議所の調査によると、従業員数50人未満の小規模事業所におけるメンタルヘルス対策実施率はわずか17.8%に留まっており、300人以上の大規模事業所の実施率71.4%とは大きな開きがあることが分かっております(図)。では、なぜ小規模事業所ではメンタルヘルス対策が普及していないのでしょうか?
そもそも小規模事業所ではメンタルヘルス不調者が出にくいから?確かに人数規模が少なくなるとメンタル不調者数も少なくなり、そう頻回に問題が起こるものではないと思います。しかしながら、私どもが小規模企業経営者を対象に実施した調査では、約70%が従業員のメンタルヘルス不調の問題で困った経験があることが分かっております。厚生労働省の調査では、2008年の段階でうつ病の患者数は100万人を超え、現在も増加傾向にあることがわかっており、小規模企業であってもメンタルヘルスの問題と無縁であり続けることはないのかもしれません。
小規模企業でメンタルヘルス対策が進まない原因の一つとして、企業側が何をどのように進めたらよいか分からない状況にあること、そしてメンタルヘルス対策のサポートをしてくれる専門職(産業医等)の関わりが非常に少ないことがあるのではと考えております。まだまだ数は少ないのですが、地域産業保健センター(地区医師会単位で設置)、各種産業医事務所など、小規模事業所のメンタルヘルス対策をサポートしてくれる機関もあり、企業にとっても信頼できる相談先をもっておくことは重要と思われます。なお、弊社におきましても小規模事業所向けサービスメニューを用意しておりますので、ご興味のある方はぜひ弊社ホームページ(下記バナー)にアクセスしてみてください。